まず、最初の1.の基本方針は、特に重要な点や敢えて強調したい点を述べたものです。このような基本方針を置かなければならない必然性はありませんが、保護方針全体を分かりやすくしたり、自らの方針の特徴を示すためには有用な項目です。ここに挙げられている4点は、それぞれ1項ずつ立てて詳細に説明することも可能です。
2.の利用目的は、非常に重要な項目です。法律の第15条にこのような利用目的の特定が義務付けられています。FP業務の内容、FP業務に付随する業務、FP業務に加えて行っている他の業務などを勘案して、適切な利用目的を記載することが必要です。また、この利用目的の変更には「変更前の利用目的と相当の関連性を有すると合理的に認められる範囲」に限定されていますので(第15条2項)、将来の自らの業務の変更可能性を予測し、それを可能な限り盛り込まないと後々個人情報の利用に制限がかかる事も考えられます。注意して作成しましょう。
3.には、個人情報の利用及び管理に関する記載をまとめました。(1)の目的外取扱の制限は2.へ入れることも可能です。(3)の安全管理措置に関連して、電子メールの利用方法を記載することも良いかもしれません。一般論として、電子メールはパケットを拾うことによって外部からその内容を知ることも不可能ではありません。したがって、SSLなどの技術的措置を施さなければ安全であるといえない可能性もあります。
4.は、第三者提供について記載されています。第三者提供は、個人情報に関してお客様の関心が最も大きいところであるといって良いでしょう。重要な自らの個人情報をFPに提供したお客様は、それが第三者に転々流通するのではないか、という漠然とした危機感を頂いているかもしれませんし、また、どのような範囲で利用されるのか強い興味を持っているはずです。したがって、第三者提供についてきちんと記載することが、お客様の立場からは何より重要です。内容的には、法律にあるようにオプトイン(事前同意)の原則をきちんと表明することが大事です。そして、第三者提供を本人に同意なく行うような場合には、そのような第三者提供の内容をきちんと通知又は公示するようにしましょう。
5.は、本人関与の問題を記載しています。ここで開示等の求めを受け付ける方法(申出先、開示等の求めの方式、本人確認の方法、手数料)について記載することもできます。
最後に、苦情処理についてひとこと保護方針案の中で触れることも良いでしょう。第31条は、適切かつ迅速に苦情を処理しなければならず、そのための体制整備をしなければならないとしています。ここで、連絡先や苦情処理の方法などについて記載することは、このような法律の求めに沿うこととなります。 |