まず、電話でお客様から相談の予約を受ける場合を考えてみます。既に何回かご相談に応じているお客様であれば、単にお名前をお聞きして日時を決定するだけですが、この場合には既にお客様の個人情報はFPにおいて取得されていますし、利用目的の通知もなされているでしょう。したがって、特段意識することはありません。仮に初めてのお客様であれば、お名前、電話番号、ご紹介者等をお聞きするかもしれません。この場合は、個人識別性があり個人情報となりますので、個人情報を取得するのだ、という意識が必要となります。具体的には、このような個人情報をお聞きする前か、お聞きした後速やかに利用目的をお伝えすることが必要となります。
利用目的は、ある程度具体的にお伝えしなければなりません。単に抽象的に「サービスの向上のため」という訳にはいかないのです。「お客様毎の資産情報を作成して、経年変化を考慮に入れつつ、常に適切なアドバイスを提供するため」とか「資産運用のために最新の情報をお届けするため」等、各自の具体的な業務に即してお伝えすべきでしょう。金融庁のガイドラインでは、「個人情報がどのような事業の用に供され、どのような目的で利用されるかを本人が合理的に予想できるようできる限り特定しなければならない」としています。
次に、電子メールの場合は如何でしょうか。電子メールには、メールアドレスの表示があり、氏名、電話番号などが付されている場合もあるでしょう。書面による個人情報の取得の場合には、あらかじめ利用目的を明示することが必要ですが、電子メール(突然の場合)を受信する前に利用目的を送信することは不可能なので、返信の際に利用目的を明示しておくことが必要となるでしょう。
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